愛の妙薬
JUN 2026 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
ガエターノ・ドニゼッティ作曲『愛の妙薬』
カタルーニャ語字幕付きオペラ
上演時間:約150分
ジョゼップ・ミケル・ミンダンの指揮と、受賞歴のある演出家ジャウマ・ビリャヌエバの舞台演出により、偉大な作曲家ガエターノ・ドニゼッティの最高傑作とも言える、最も輝かしいオペラをお届けします。
本プロダクションは、Palau de la Música Catalanaで上演してきた他のオペラと同様に、私たちの街を舞台にしています。原作の牧歌的な雰囲気は、架空(あるいはそうでない)地区「Ciutat Bella」の理想的なフェスタ・マジョールの空気へと置き換えられ、登場人物たちの恋と陰謀が繰り広げられます。
あらすじ
時と場所:スペイン、バスク地方の小さな村、18世紀の終わり
第1幕
前奏曲の後幕が上がると、村人の集う広場。ネモリーノは美しいアディーナへの想いを独白する(「なんと彼女は美しい」Quanto è bella )が、彼女は魯鈍で弱気なネモリーノにはすげない。アディーナは『トリスタンとイゾルデ』の本を他の村娘たちに読んで聞かせて「飲めばたちどころに恋が成就する愛の妙薬、そんなのあり得ないわね!」と大笑いしている。村外れに宿営しているベルコーレ軍曹が行軍を率いて登場、その洗練された物腰と凛々しい軍服姿にアディーナは一目惚れ、ネモリーノは焦る。
そこへ「森羅万象に通暁した、人類の救済者」と名乗る薬売りドゥルカマーラ博士なる人物が登場、巧みな宣伝口上で村人に薬を売り付ける。人々が去った後、残ったネモリーノはドゥルカマーラに「イゾルデの使ったという妙薬」を求め、ドゥルカマーラは、とんだ馬鹿が来たとばかりにボルドー産ワインを「秘薬」として高値で売りつけてしまう。「効目が出るまで1日待たれよ。ただし当局がうるさいので、薬のことは秘密ですぞ」と言い含めて。
早速試飲したネモリーノは「秘薬」の勢いで気が大きくなり、陽気に唄いだす。秘薬の力でアディーナもすでに手にいれたも同然と、彼女の前でもそっけない態度をとる。手玉にとっていたつもりの男が態度を急変させたことに困惑し、激怒したアディーナは、やって来たベルコーレ軍曹の求婚に応じてしまう。妙薬の薬効で、明日になれば彼女は自分のもの、と信じて鷹揚に構えていたネモリーノだったが、ベルコーレの隊に進軍命令が出て、日を待たず、急遽今晩アディーナと婚礼を挙げる、と知って愕然とする。
第2幕
幕が変わってアディーナとベルコーレ軍曹の婚礼の場。人々は陽気に飲み、歌うが、いざ結婚の誓約となるとアディーナはなぜか躊躇してしまう。事態挽回を図るネモリーノはドゥルカマーラに更に妙薬を所望するが、金がない。仕方なく彼は、恋敵ベルコーレ軍曹の部隊に一兵卒として入隊することとし、給料20スクードを前借りして秘薬を1本購入、飲み干して眠り込んでしまう。ベルコーレ軍曹は恋敵が部下とは面白い、とせせら笑う。
一方で、アディーナを除く村娘たちはネモリーノの噂で持切りになっている。彼の伯父が死んで、残った巨額の遺産はネモリーノがすべて相続する、というのだ。娘たちは、ネモリーノと結ばれて玉の輿を夢見る。酔いから醒めた彼は村一番の人気者になっていてびっくりし、これも妙薬の効き目、と大喜びする。一方のアディーナは、娘たちに囲まれるネモリーノを見て、心中穏やかでない。しかし、ドゥルカマーラから、ネモリーノが秘薬を手に入れる為に命の補償も顧みず軍隊に入ったことを聞かされ、思わず涙を流す。それを見たネモリーノは、自分が好かれていることを知る(「人知れぬ涙」Una furtiva lagrima )。そしてアディーナは結婚の誓約に二の足を踏んだ理由は、自分も本当は純朴なネモリーノを恋しているからだ、と悟り、入隊契約書を買い戻して彼に愛を告白する。こうして結ばれた2人を村人は祝福し、ドゥルカマーラ大先生の愛の妙薬の効能を一同で賞賛して、幕。
プログラムとキャスト
カメラ・オルケストラ・テラッサ48
キム・テルメンス、コンサートマスター
ジョゼップ・ミケル・ミンダン、指揮
パブロ・モラレス、合唱指導
ジャウマ・ビリャヌエバ、演出
イサ・モレン、振付
Òpera Popular de Barcelona、常設カンパニー:
インマ・マスラモン(1月12日)、アセール・マスード(3月22日)、アディーナ
アドリア・マス、ネモリーノ
ジョアン・G・ゴマー(1月12日)、シャビエル・カサデモン(3月22日)、ベルコーレ
ダニル・サイフリン(1月12日)、ジョアン・G・ゴマー(3月22日)、ドゥルカマーラ
アナ・ヤニニ(1月12日)、アジェレン・セラス(3月22日)、ジャンネッタ
Òpera Popular de Barcelonaの合唱団とバレエ団
協力:Plaça Nova祭り協会の巨人と大頭人形、Esbart Català de Dansairesのダンサーたち
プログラム
G. ドニゼッティ:『愛の妙薬』
カタルーニャ音楽堂
カタルーニャ音楽堂は、スペイン、バルセロナにあるコンサートホール。1997年、サン・パウ病院とともに、バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院としてユネスコの世界遺産に登録されました。
カタルーニャ音楽堂は建築家リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネーによってムダルニズマの様式で設計されたコンサートホールである。1905年から1908年にかけて、カタルーニャ・ルネサンスにおいて指導的役割を果たした合唱団、ウルフェオー・カタラーのために建設された。建設にあたってはバルセロナの篤志家たちの財政支援も受けている。この音楽堂の建設によりドメネクは1909年にバルセロナ市より賞を受けた。
1982年から1989年にかけてオスカル・トゥスケッツとカルラス・ディアスによる大規模な修復が行なわれた。1997年、カタルーニャ音楽堂はユネスコの世界遺産に登録され、今日では毎年50万人以上の人々が交響楽や室内楽、ジャズ、伝統音楽などを楽しむためにこのホールを訪れている。
サン・パウ病院とともに、20世紀初頭のバルセロナにおけるアールヌーボー様式を伝えるものとして世界遺産に登録された。