オルランド

オルランド – ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル | コンサート形式のオペラ
全3幕のオペラ・セリア
カルロ・シジズモンド・カペーチェの台本（L’Orlando, overo La gelosa pazzia）に基づく無名作家の台本。原作はルドヴィーコ・アリオストの叙事詩『狂えるオルランド』。
上演時間：約2時間40分

その深さゆえに時代を超える、バロックの傑作
オルランドは、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの中でも特に称賛されるオペラの一つであり、その感情的な複雑さと精巧な音楽構成によって時代を超えて受け継がれてきたバロック・レパートリーの礎です。1732年に作曲された本作は、ルドヴィーコ・アリオストの叙事詩『狂えるオルランド』に基づくオペラ・セリアで、神話・愛・狂気が絡み合う物語です。初演はロンドンのコヴェント・ガーデン劇場で行われ、ヘンデルのキャリアにおいて重要な舞台でした。本作は現在でも、特に人間の精神構造の探究と音楽的表現において、世界のオペラ舞台で重要な作品として上演され続けています。

オルランドの台本は、ヘンデルの他の作品（アリオダンテやアルチーナ）の詩も手がけたイタリアの詩人・台本作家カルロ・シジズモンド・カペーチェによって書かれました。物語は内面の葛藤と抑えきれない情熱に満ちています。主人公のオルランドは、中世の騎士であり、戦乱の中で美しいアンジェリカに激しく恋をします。しかし、アンジェリカは若者メドーロに恋をし、彼はオルランドの想いを拒絶します。嫉妬と絶望に取り憑かれたオルランドは理性を失い、一時的な狂気に陥ります。錯乱の中で、彼はその高貴な本性と感情の不合理さの狭間で揺れ動く、複雑で曖昧な存在となっていきます。

プログラムとキャスト

レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル
指揮 – マルク・ミンコフスキ

オルランド – オード・エクストレモ
アンジェリカ – アナ・マリア・ラビン
メドーロ – ユーリイ・ミネンコ
ドリンダ – アリーナ・ヴンダーリン
ゾロアストロ – エドワード・ジョウル