Balkan Erotic Epic

Balkan Erotic Epic | バレエ
バルカン音楽
上演時間：約2時間

官能性、バルカンの伝統、そしてパフォーマンス――身体と知覚の限界に挑む作品。

2023年にリセウ大劇場で『マリア・カラスの7つの死』を上演したセルビアのアーティストであり、パフォーマンス・アートの母とも称されるマリーナ・アブラモヴィッチが、今度は彼女の最も大胆で挑発的な作品のひとつ『Balkan Erotic Epic』を披露します。このジャンルを超えたスペクタクルは、ダンスとパフォーマンス・アートの間に位置し、官能性とエロティシズムをパフォーマンスの伝統と融合させ、身体・セクシュアリティ・人間経験の限界を探求し続けるアブラモヴィッチの姿勢を映し出します。本作は歴史や衝突、豊かな文化遺産に彩られたバルカン地域の文化的文脈に深く根ざし、単なる美的挑戦を超え、アイデンティティと政治的・社会的緊張に関する深い省察を含んでいます。

『Balkan Erotic Epic』では、アブラモヴィッチがバルカンの民俗と神話に官能性を融合させ、視覚的にも感情的にも強烈なインパクトを持つ作品を創出しています。単なるエロティシズムの表現を超え、地域文化に内在する感情や緊張、矛盾に深く切り込みます。アーティストは身体を表現の手段としてだけでなく、セクシュアリティ、暴力、権力に関する社会的・政治的規範に挑戦する場としても用いています。

本作は、ダンス、演劇、音楽、マルチメディアの要素が絡み合う一連のパフォーマンスで構成されています。刺激的で象徴に満ちた視覚表現が観客の知覚を揺さぶり、挑発します。ダンサーたちはしばしば原始的かつ野性的なエネルギーを帯びた動きで、強烈な感情を伝え、バルカンの伝統に根差した音楽が作品全体の独特な空気感を高めています。

『Balkan Erotic Epic』の際立った特徴のひとつは、身体的・心理的次元を視覚的な物語へと統合している点です。エロティシズムは表層的な描写にとどまらず、人間関係の美しさと暴力性の両方を語る言語となります。欲望、情熱、権力がどのように複雑に絡み合っているかを探りながら、観客自身の偏見や期待と向き合うよう促します。

舞台演出においては、空間と照明の象徴的な使い方により、官能的で直感的な雰囲気を強調します。ミニマルでありながら効果的な舞台美術は、儀式的な動作やジェスチャーに没入するパフォーマーたちの身体に焦点を当て、しばしばグロテスクと崇高の境界を曖昧にします。身体は欲望、対立、権力の対象となり、アブラモヴィッチの最新作が、予測不能な芸術家にして生ける伝説として、グラン・テアトル・デル・リセウの舞台に登場します。

プログラムとキャスト

コンセプトおよび芸術監督 – マリーナ・アブラモヴィッチ
振付 – ブレナード・アジザイ
演出 – ジョージン・バルク
舞台美術 – アンナ・シェッテル
衣装 – ロクサンダ・イリンチッチ
作曲 – マルコ・ニコディエヴィッチ
照明 – ウルス・シェーネバウム
音響 – ルカ・コズロヴァツキ
共同委嘱 – ファクトリー・インターナショナル（マンチェスター）、ベルリナーフェストシュピーレ、グラン・テアトル・デル・リセウ
製作 – ファクトリー・インターナショナル（マンチェスター）